脱臼の応急処置の方法とは?注意点と後遺症、再発させない正しい応急処置
ここでは、脱臼の応急処置の方法、後遺症を残さない注意点、そもそも、現在の状況が脱臼なのか?脱臼とは、どのような症状なのか?といったことを紹介しています。
脱臼の応急処置は、
- 患部を固定
- 安静にする
- 迅速に整形外科、整骨院に行く
そのうえで、整形外科や整骨院にて、関節を元に戻す「整復法」を、できるだけ早く受け、関節を元に戻す必要があります。
治療を受けずに放置していたり、治療まで時間がかかってしまった場合は、機能障害などの後遺症が残る可能性があります。
目次
応急処置で、やってはダメなこととは?
脱臼の応急処置として、やってはダメなこととは、「自分で元に戻そうとしないこと」です。自分で治そうとすると、関節周辺の神経や血管を傷つけて、余計ひどくなったり、後遺症が残る可能性があります。
また、自然と、関節がハマった場合でも、治療を受けないと、再発しやすくなるので、必ず治療を受けるようにしましょう。
そもそも、それは、本当に、脱臼なのか?
脱臼とは、「関節部分の骨が外れた」「関節の骨の位置がズレた」状態のものを言います。
ここでは、その症状が脱臼なのか?参考になる脱臼の症状などについて紹介します。
脱臼しやすい部分とは?
脱臼しやすい部分は、
- 肩(かた)
- 肘(ひじ)
- 指(ゆび)
- 顎(あご)
などで起こりやすいと言われています。
ただし、脱臼は、「関節がはずれる」「骨の位置がズレる」という症状なので、関節がある部分なら、カラダのどこでも起こりえます。
脱臼は、どのような時に起こりやすいのか?
肩や肘の関節の脱臼は、転倒やスポーツなどの運動をしている時に、過度の負荷がかかった場合に、脱臼することがあります。
具体的には、
- 転倒した時に、腕をのばして手をついた時
- スポーツの時に、ボールを投げた時
- ラケットをふった時
など、肩を大きく動かした時に、肩の脱臼が起こりやすくなります。
この為、活発な部活の青年男子やスポーツ選手など、カラダを激しく動かす人に起こりやすい症状です。
脱臼の症状とは?
脱臼の症状として、外から力が加わった場合は、
見た目の症状
- 腫れて痛む
- ガクッという音とともに関節が変形する
- 皮膚の出っ張り、ヘコミ
- 関節部分の変形
- 手足の位置が異常な位置になる
- 腕など、長さが左右で異なる
その他の症状
- 激しい痛みをともなう
- 本来の関節の動きができない
- 自分で関節を動かせない
また、関節に強い力が加わっているので、脱臼とともに、骨折していることもあります。さらに、靭帯、腱、筋、血管など、関節周辺が損傷している可能性もあります。
関節が外れた、ズレたと分かる症状の場合
見た目に関節が外れている、ズレている場合は、激しい痛みも伴いカラダを動かすことができなくなります。
関節が外れかけている場合
関節がはずれかけたが、すぐに戻ってしまった場合は、「亜脱臼」と言います。「亜脱臼」の場合は、整形外科や接骨院での治療を受けない人もいます。治療を受けないと、危険な状態になる可能性があります。
治療を受けないと、脱臼クセがつく!?
脱臼の場合、関節が外れたり、ズレて、激しい痛みを伴う人は、整形外科や接骨院で治療を受けると思います。しかし、脱臼しかけたが、自然に元に戻った「亜脱臼」の場合は、放置してしまう人がいます。
「亜脱臼」で、自然に元に戻ったとしても、脱臼がクセにならないように、整形外科や整骨院は、必ず受診し、治療を受けましょう。
適切な治療を受けないと、関節が動かなくなる!?
脱臼、亜脱臼を放置している人は、ひどい場合には、関節が動かなくなる可能性もあるので、必ず治療をするようにしましょう。
脱臼の応急処置
ここからは、脱臼の時の応急処置を詳しく紹介していきます。
出血がある場合
まずは、出血している場合は、最初に止血します。出血している場合は、脱臼の応急処置よりも先に止血します。
出血が無い場合・止血した後
脱臼した患部が動かないように安静にします。患部を動かすことで、関節の周辺を、さらにキズつけてしまう可能性があります。
その上で、PRICESの処置を行い、整形外科などの病院や整骨院に、できるだけ早く行きます。
「PRICES」処置とは?
「PRICES処置」とは、下記の頭文字をとって作られた言葉です。
- P(Protect) = 保護
- R(Rest) = 安静
- I(Ice) = 冷却
- C(Compression) = 圧迫
- E(Elevation) = 挙上
- S(Stabilization/Support) = 安定/固定
Protect(保護)
「Protect(保護)」は、患部を動かすことによる悪化を防ぐのを目的に行います。
Rest(安静)
「Protect(保護)」は、腫れ、神経や血管の損傷を防ぐのが目的です。脱臼し内出血しているのに動き回っていると、出血や炎症が増し、腫れや痛みが増すことがあります。
Ice(冷却)
Ice(冷却)は、腫れや出血を抑え、痛みを抑えるのが目的です。5分~10分、ビニール袋やアイスパックに氷を入れて冷やします。
Compression(圧迫)
Compression(圧迫)は、腫れや内出血を抑えるのが目的で行います。
Elevation(挙上)
Elevation(挙上)は、患部を心臓寄りも高い位置に持っていくことで、患部の腫れを抑えるのが目的で行います。
Stabilization/Support(安定/固定)
Stabilization/Support(安定/固定)は、固定して安定させることで、筋肉や腱、靭帯などの修復が効果的に行えるようにするのが目的で行います。
脱臼の応急処置のポイント
脱臼した場合の応急処置のポイントは、「固定」するのがポイントです。そのうえで、痛みがある場合は「冷やす」ことで痛みを抑えます。そのうえで、できるだけ早く適切な治療を受ける必要があります。
早く適切な治療を受けるのが大切
脱臼は、時間がたてばたつほど、元に戻すのが難しくなります。
関節が本来あるべき位置にないので、神経が圧迫されて、後に、麻痺やシビレなどが発生する可能性もあります。
固定をシッカリ行う!
肩関節を脱臼した場合は、三角巾、包帯などで、腕をつって固定します。具体的な固定方法は、腕が胸の前に来るようにし、肘を90度に曲げて固定します。
三角巾が無い場合は、ネクタイ、風呂敷、大きいバスタオルなどを使って固定するのもいいです。
腕を胸の前でつった後は、腕が動かないように、幅が広い包帯やタオルなどを使って、カラダごと腕を巻いて、腕が動かないようにさらに固定します。
この状態で、整形外科や整骨院に行くので、痛みが無い姿勢で、固定するのがポイントです。
痛みがあると、どうしても動かしてしまい、移動中に、さらに患部の状態を悪くする可能性があります。
患部をアイスパックや氷、氷水などで冷やす
患部に傷がある場合、内出血を伴い、激しい痛みに苦しむ場合があります。
そのような場合は、アイスパックや氷、氷水などで、患部を冷やすことで痛みを抑えることができます。
骨折を伴っている場合は、ショック状態になる!?
脱臼は、素人では、捻挫や骨折と判断するのは難しいです。また、骨折で内出血をしている場合は、ショック状態になり、「気を失う」「嘔吐する」などの症状があらわれる可能性もあります。
自分で、関節をハメようとしない!?
脱臼は、素人が簡単に治せるものではありません。その為、無理に関節を戻そうとしないでください。
素人が自分で関節を戻そうとすると、関節の変形、ハズレを知ろうとが治そうとすると、関節周辺の神経や血管を痛めて、逆に症状が悪くなる可能性もあります。
後遺症を残さないために大切なこと
脱臼は、応急処置をキチンと行わないと、後に機能障害などの後遺症が残る可能性もあります。
治療後の固定期間は?
脱臼の治療は、関節を元の位置にもどす「整復法」という方法で治療します。整復法にも色々ありますが、関節を元に戻した後は、2週間~3週間は、患部を固定しておく必要があります。
これを怠ると、脱臼が習慣化し、何度も脱臼しやすくなります。
脱臼の応急処置のまとめ
脱臼した場合は、「患部を固定」「安静にする」「整形外科や整骨院にすぐに行く」というのがポイントになります。
中橋接骨院での脱臼の治療方法
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